~アジア競技大会に出場する選手を応援しよう~

アジア競技大会に出場する選手を知って、選手を応援するシリーズ。
今回は、トライアスロンの平泉真心選手に話を聞いた。

■味噌汁が「勝ち飯」 国内外の大会で上位常連

トライアスロンは、水泳(スイム)、自転車(バイク)、長距離走(ラン)の3種目を1人の選手が連続して行うタフな競技。五輪でも実施されるスタンダードディスタンスは、スイム1.5㌔、バイク40㌔、ラン10㌔(合計51.5㌔)で速さを競う。加えて、種目の切り替え(トランジション)も競技の見所。「第4の競技」とも言われ、靴やヘルメットなどの着脱を行い、次の競技にいかにスムーズに移行していくかが勝敗を決めることもある。

「プライベートはインドア派なので、休日は自宅で編み物をしたりパンを焼いたりしています」

厳しい鍛錬があってこそ、レースに臨めるトライアスロン。その競技に平泉選手は子供の頃から取り組み、今や日本を代表する選手と言ってもいいだろう。ここ数年、国内外の大会で上位の常連で、2026年5月末に大阪で開かれた国際大会でも日本勢トップの2位に入った。今後開催される国内外の主要な国際大会でも活躍が期待されている。「これまでいろんな方に支援していただいたことに対する感謝の思いを、大会の結果という形で示すことができたらと思っています」と健康的に日焼けした笑顔で平泉選手は話す。

生まれも育ちも、愛知県のほぼ中央部に位置するみよし市。子供のころから地元のスイミングスクールに通っており、そこでトライアスロン教室が開かれていて競技に興味を持ったという。「体を動かすことが大好きで、母親によると、トライアスロンも自分から『やりたい』と言って始めたそうです」。競技を始めたときからずっと楽しいという気持ちで取り組んでいたが、レースに出場するようになって、同世代の選手に負けると「悔しい」という思いが勝るようになった。「自分が意外に負けず嫌いだということを発見しました」と平泉選手は振り返る。高校は名古屋市にある東邦高校に進学。水泳部に所属する傍ら、クラブチームに入ってトライアスロンを続けた。

龍ヶ崎市の自然が豊かで、静かな環境が気に入っているという

高校時代に流通経済大学トライアスロン部の活動体験会に参加して、監督が競技をこよなく愛していることに触れ、「この監督の下でやりたい」と思い、同大に進学を決めた。「監督からはパフォーマンス面というより、メンタルの部分で、世界で戦うにはどうすればよいかという点についてたくさん学ばせていただきました」と平泉選手は振り返る。

スポーツ健康科学部のある茨城県龍ヶ崎市で大学生活を始め、今年4月、デジタルマーケティング事業などを手がけるトランスコスモス(本社・東京都豊島区)にアスリート社員として就職してからも龍ヶ崎市を拠点に活動している。市東部の農業公園豊作村周辺で練習することが多く、「自然に恵まれ、練習に集中できる環境が気に入っています」と平泉選手は話す。練習は朝に3種目をこなし、午前中は新入社員として在宅で研修を受け、午後から再びランに出かける。

1日に同世代の女性に比べて倍近い約3000カロリーを消費するため、「練習前に栄養補給用のゼリーやバナナを摂り、食事も3食しっかり食べます」。身長160㌢、体重55㌔(試合前などは2~3㌔増減することも)と大柄ではないが、大学で栄養学を専攻していたこともあって、自炊をしながら栄養を自己管理することを大切にしているという。ちなみに卒業論文のテーマはパフォーマンスとカフェインの関係について。もっとも、海外遠征では味噌汁が自分にとっての「勝ち飯」で、味噌汁を飲むだけで、慣れない環境にもすっと入っていけるという。

アメリカのメーカーのロードバイク。特にトライアスロン用のバイクはないという

■地元開催に意気高く 「沿道からの応援が力に」

これまでで印象に残っている試合は、大学1年の時にカザフスタンのアスタナで開催された19歳以下を対象にした大会。アジアのレースで初めて優勝することができ、「自分が国際大会でも戦えるようになったことがうれしくて、その時の感激は今でもはっきり覚えています」。3種目の中で得意なのがバイク。父親と子供の頃からバイクに触れていて、自然と競技の力を高めることができたという。やや苦手なのがスイム。特に水温の低いレース環境に抵抗を感じることが多く、「どんな環境でもベストのパフォーマンスを発揮できる適応力を身につけるのが自分にとっての課題です」と平泉選手は話す。 シーズン中は国内外の遠征が多く、ロードバイクなどの荷物の運搬にも手間がかかる。それでも、「様々な地域や国に出かけて、色々な国の選手と競技を通して交流できるのがうれしい。そして3種目のタフな競技時間を経てゴールした時の達成感に勝るものはない」。その間、バイクからの落車や暑さによる失速など、ゴールまで何が起こるかわからないスリリングな展開が、トライアスロンの見所でもあるという。

市街地を練習で走り抜ける。バイクは高額なので、練習を終えると自宅の中に置いている

これまでの大半の時間を愛知で過ごし、やはり好物もさっぱりめの味噌カツ。「ご飯とキャベツと味噌カツが最強の組み合わせです」。好きな場所も名古屋市にあるテーマパークの「レゴランド・ジャパン」。「今でも行くとテンションが上がります」。それだけに、地元で開かれる国際大会ではよい結果を残したいという。「いつも、沿道から応援してくださる声に、すごく大きな力をいただいています。試合で勝つために皆さんの声援で一押しお願いいたします」